選挙に行こう、というメッセージをファッションで…VOTEグッズ販売店が語る「たくさん売ることができない」ワケ

「doughnut」ウェブサイトより

今月31日に実施される衆議院選挙。周囲と選挙についての会話を始めたいものの、なかなか難しいと感じている人も多いのではないだろうか。

政治の話をしにくい現状に問題意識を持ち、「気軽に話題にできるように」とフェミニズムグッズやVOTEグッズを取り扱っている店がある。アジア雑貨などを取り扱う雑貨店「doughnut」だ。

オンラインショップでの販売のほか、大阪市の着物屋「姉妹屋」内で、不定期で実店舗での販売もしている。

店長の種吉さんにフェミニズムグッズやVOTEグッズを販売する理由について伺った。

コロナ禍でDV被害が増えているという報道を見て

ーーVOTEグッズを販売する以前から、フェミニズムのグッズを扱っていたと聞いています。まず、フェミニズムグッズを扱うようになったきっかけを教えてください。

昨年の5月に始めました。新型コロナ流行下で移動が制限されて息苦しい空気になっていると感じたり、DV被害が増えているという報道を見たことがきっかけです。ピンバッジなどのグッズを見て、気持ちが変わるようなことがあったらとか、もっといろいろなことを口に出せるようになったら、という気持ちで扱うようになったんです。

実際、いい会話のきっかけになったという声をいただいています。

「doughnut」ウェブサイトより

ーー初めて拝見したとき、あまり見たことのないグッズで驚きました。

アメリカ、イギリスにはもともと多かったと思います。ご自分で作られて販売されている方はいらっしゃったと思いますが、輸入して販売されている方はあまりいないかもしれません。

ーーフェミニズムグッズやVOTEグッズは実店舗でも販売されているとのことですが、その際にはどのような声を聞きますか。

実店舗に来られる方はフェミニズムやVOTEグッズを探してというよりかは、読書関連のピンバッジを探して来られる方が多いんですよね。近くに古書店「みつばち古書部」がある影響もあるかもしれませんが。

ーー英米圏では読書を愛好する層とフェミニズムに関心がある層は近いという印象を受けます。

そうですよね。実店舗に来られる方でも、ジェーン・オースティン、バージニア・ウルフなどが好きな方などはフェミニズム絡みの関心があるのかもしれません。意外と、そのあたりの英米語圏のフェミニズムと結びつけて論じられる女性作家のピンも売れていますよ。

「doughnut」ウェブサイトより

フェミニズムから興味を持ってくださったSNSの方々は積極的にフィードバックしてくださるんですけれども、本グッズに興味を持ってくださって実店舗に来られる方々は静かに買い物されるので、あくまで想像ですが。

VOTEグッズをなかなかたくさん作れない理由

ーーVOTEグッズの取り扱いは、いつ頃からですか。

以前も、女性の参政権100周年を記念して手刺繍のグッズを販売していたのですが、本格的に取り扱い始めたのは今年の春からです。今年の衆議院選に向けて、ですね。

イベントグッズのように、コーディネートに取り入れてインスタのストーリーなどにアップしてくださる方がすごく多いです。VOTEグッズはネックレスやキーホルダーなどのアクセサリータイプのものが多いので、ファッション感覚で取り入れていただけるということもあるようです。

ーー売り上げの面では、いかがですか。

今年の5月、6月は売り上げが良かったです。おそらく、オリンピックへの反対の影響があったのだと思います。

本当にこのまま開催してしまうのか、声を上げれば、まだ変えられるんじゃないかという意識の高まりがあったんじゃないかな、と。オリンピックがはじまると同時に、そういった風潮もしぼんでしまったように感じているんですけれども。

商業的すぎるのかな、と悩んだりもしたんです。人の怒りで商売をしていいのだろうか、って。

「doughnut」ウェブサイトより

ですので、Tシャツなどの売り上げはほぼ、関連する団体に寄付をしました。若い女性のシェルターを運営する団体や、ホームレスの支援をしている団体さんなどですね。

ーーサイトを拝見すると、さっそく売り切れている商品も。

実は、ものとしてのロスをなくしたいという気持ちがあって、知り合いの資材屋さんが安く卸してくださったロットの外れた資材を使っているので、たくさんは販売できないんです。

買い付けの都合で飛行機を使ったりしているという罪悪感もあるので、できるところから環境についても考えていこうかなと。

ーー先ほどVOTEグッズをコーディネートに取り入れてインスタにアップされるお客さんたちのお話がありましたが、選挙の話はしやすくなってきていると思いますか?

コロナ禍になってからは、「選挙に行こう」くらいは言えるようになりましたね。ただ、その先はまだなかなか言えないんじゃないでしょうか。

「doughnut」ウェブサイトより

以前、「自分で国や社会を変えられると思う」という意識が、インドや米国に比べ、日本の若者は低いというアンケート調査を見ました。そういうのを見ると、申し訳ない気持ちになりますね。言っても仕方ないと思わせてしまって。

現実にそうなってしまわないよう、選挙に行ってほしいし、単純な多数決や、少数者の権利を制限することが民主主義ではないということもわかってほしい。

私としては、「選挙に行こう」からさらに踏み込んで、「この国に住んでる人の人権を尊重するような方をぜひ選んでほしい」と言いたいです。

「doughnut」リンク:https://doughnut.thebase.in/
「doughnut」Twitterアカウント:https://twitter.com/doughnuttalking

2021/10/27修正:「みつばし古書部」→「みつばち古書部」

取材・執筆=

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